140304:西部劇って最高のぼっち映画

捜索者 [DVD]
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たまに無性に西部劇見たくなってグワーッってなる時が僕にはあって、こないだもそんな勢いで「捜索者」っていうやつ借りてきた。

西部劇って、単に「カーボーイが出て殺す!」って感じじゃなくて、「なんか一生懸命生きてるつもりなんだけどいろいろ変なことがあってなんかうまくいかない、なんでうまくいかないのか分からないし仕方なく銃の腕だけでも頑張って上げたんだけどやっぱりなぜか生きづらい感じが変わらない、望んでた物も手に入らないし泣きたい」みたいな、お前どこの都会の隅に隠れ住む社会に生きづらさを感じている若者だよっていうテーマの奴も多くて良い。

-以下ネタバレあり-

この「捜索者」でも、ジョン・ウェインが演じてる主人公が兄一家やその生き残りの姪っ子をインディアンの手から救うためにそこそこ頑張るんだけど、自分はなぜか良い家族っていうものに恵まれなくて、最後のシーンなんか自分が救ったデビーっていう姪っ子やデビーと喜ぶ友人たち、それに一緒に奮闘した相棒やその恋人が大喜びしながらサザエさんのエンディングよろしく家の中にワイワイ入っていくんだけどジョン・ウェインだけなぜか外に取り残されて完全にぼっちと化してて、しまいにはくるっと反対方向向いて荒野に向かって歩いていっちゃう。で、バックでは「男は男の魂を求めて旅に出るのさ~♪」みたいな歌が流れてて一匹狼かっこいい!みたいな演出がすごいあるんだけど、冷静に考えたらジョンウェインただのぼっちじゃん!かっこいい事はかっこいいけど正直こんな境遇にはなりたくないよ!とも思うんだけど、正直僕も自身の学生時代とか鑑みるとなかなかぼっちの才能を感じさせるエピソードとか幾つかあるので、どうせぼっちになるならせめてこういうぼっちになりたいな、と自分の将来像のハードルを無駄に上げておいた。

ブロマイド写真★ジョン・ウェイン/白黒/カウボーイハットで銃持つ
ジョン・ウェイン。死んだおじいちゃんに似ている…
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他にも印象に残ったシーンとしては、主人公が「デビー(姪っ子)はもう完全にインディアンとして育てられてるだろうし無理に助けなくてよくね?」って言うのに対して、相棒の子が「バカ言うな! 俺だけでも潜入して助けに行く!」ってすごい熱くなってるシーン。
この相棒の子はデビーとはなんも血が繋がってない赤の他人なんだけど、昔主人公に成り行きで助けられて主人公の兄一家で育てられたので、デビーのことは実の妹のように慕ってる。本物の親戚であるはずの主人公は割りと冷めてて、インディアンに対する偏見故に彼らのコミュニティに完全に取り込まれたデビーと距離を感じ始めてるのに対し、本来赤の他人であるはずの相棒の方が、何が何でも助けてやるっていう気概にあふれてる対比が良い。
結局つまらない偏見とかこだわりのせいで、最後デビーを救出しても複雑な感じになっちゃって、みんなとの喜びの輪に入れない。ぼっちのぼっちたる所以がここに感じられて、つまらないこだわりとか捨てて素直になればいいのになーって思いながら見てました。でも自分にあてはめて考えると、それでも無理なものは無理ってなっちゃう時もあるんだよなぁ…

でもぼっちもここまで徹底すれば、逆にこんなにかっこいい、とも言えるんだからな! マジ馬鹿にすんなよ! でもこれ完全に虎の威を借るナントカだ!

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